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SNSとCtoCの台頭がQOLを下げるリスクについて

便利で心地よいモノには見えないリスクが潜んでいる

FacebookやTwitterなどのSNSが日常生活に浸透し、ヤフオクやメルカリなど、オンライン上でちょとしたものを安く買えたり、不要なものなどを簡単に売ることができるようになりました。これらは、すべてスマホ1台あれば簡単に楽しめるので、我々の生活は、それまでと比べてとても便利になったといえます。

このような売主も購入者も個人である商取引を個人間取引CtoC(Customer to Customer)といいます。

CtoCとは、C2Cとは、Consumer to Consumerの略で、一般消費者(Consumer)間で行われる取引のことです。フリーマーケットやネットオークションなどがその一例です。これに対し、企業(business)が一般消費者(Consumer)を対象に行う取引をBtoC、法人(business)間取引のことをBtoBといいます。〜Elite Networkより

消費者庁の報告書によるとこの個人間取引は、市場として急成長を遂げているとあります。

※グラフは、平成30 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書(平成31 年5月経済産業省商務情報政策局情報経済課)を参考に書き起こし

一方、急速に成長した市場のため、トラブルも多発しています。

トラブルの主な原因は、スマホのアプリで簡単に商取引が実現できる反面、取引の場を提供しているプラットフォーマーの責任の範囲が不明瞭で、消費者保護の規制が及びにくくなっていることが大きな原因です。

それに加えて、売主が個人であるため景品表示法(景表法)や特定商取引法(特商法)などといった「商取引において遵守しなければならない法律」があることを知らない人が多いということも無視できません。健康食品やサプリメントを医療効果があると表して販売する薬機法違反などは、かわいいもので、転売が禁止されている消毒用アルコールや医薬品のイソジンをフリマに出品するなど、法人が行えば、即営業停止レベルの事も多発しています。


CtoCであっても商取引にはたくさんの遵守すべき法律があります

個人間の取引でも契約が存在する立派なビジネスです。個人であっても多くの法規制を確認し、遵守してビジネスに取り組む必要があります。

 

上記スライドに掲載されている法規制以外にも、薬機法や酒税法など違反すると刑罰を科せられるものもあります。スマホ1台で個人が簡単にモノを売ることはできますが、各種法規制の範囲を超えた売買は違法です。

そもそも、このような消費者保護の観点から多くの法規制が存在するのは、過去にリアルビジネスの場でさまざまなトラブルがあったからです。

ただの栄養剤をがんに効く(薬機法違反)と謀って高額で販売するとか、実際は数万円しかしない浄水器を300万円するものが、今なら30万円で買える(景表法・特商法など)と嘘をつく等々、現在もリアルの場では、こういった違法な販売が行われています。

そして、ネット上では特にSNSの場で「情報商材」をはじめ、同じような事がさまざまなパターンにアレンジされて急増しています。加えて、悪意のない個人が法規制を知らずに、購入者にリスクを負わせる可能性の商品を販売したり、情報を提供したりしています。

安易なビジネスはコストや手間のかかる「信用」を担保していない

元来、モノやサービスを販売するのは、手間とコスト、人員を必要とされ、それはネットが中心となった現在でも良質なものを適正価格で提供する場合においては、本質的には変わりありません。

消費者に安心して信頼あるものを提供するには、各種法規制を遵守するだけでも多大なコストや時間を要するのです。

例えば、土地や建物の仲介を行うためには、宅地建物取引業法によって、さまざまなルール・規制等が設けられています。まず、無店舗業態は認められていないので、事務所を用意しなければなりません。もちろん宅地建物取引業免許の申請を行い、審査に合格する必要があります。さらに顧客に損害を与えてしまった場合の担保として、法務局に1,000万円を供託するか、全宅保証・宅建協会に入会し数百万円の加入・保証金と毎年十数万円の会費を支払わなければ商売を始めることもできません。

土地や建物の売買には大きなお金が動きます。また、特に土地については、プロであっても見落としてしまうような瑕疵がある場合も少なくありません。増して資格を持たない素人が安易に仲介や売買を行うには、あまりにもリスクが高いため、既得権益で保護されているのです。

こういう背景を知らずに、仮に不動産に明るくない人や無資格者が、YoutubeやSNSで『御代田町で土地を買うなら○○』とか、『買ってはいけない土地の○○』などとアピールして衆目を集め、有料の移住相談や土地建物の紹介業務を行ったとしましょう。そして、勧めた土地に瑕疵がありました。とても家など建てられる場所ではありませんでした。コンサル料を支払い土地を購入した人は、どうなるのでしょうか?誰が責任を取ってくれたり、損害を補填してくれるのでしょうか?

残念ながら購入者の泣き寝入りです。

他にも、仮想通貨ブームの時などは、SNSでインフルエンサーといわれている人の話を信じて大損害を被った人も少なくありませんし、偽医療情報を信じて、病気が悪化したり、死に至ったケースもあります。

このような不幸が起きないように薬機法、景表法など多くの法規制が存在し、売り手側も良質なモノやサービスを提供するために法規制を学び、遵守のために手間やコストをかけているのです。

個人が簡単に始める事ができるビジネスは、このような手間やコストをかけていませんので、上に説明したようなリスクが潜んでいるのです。なので、それらのリスクを回避するためには、購入者側も消費者保護に関する各種法規制を知っておく必要がありますが、これはかなり大変です。

本来なら、売り手側の事業者や個人が法規制をしっかりと遵守していれば、消費者側が苦労する必要もないのですが、お金の絡むことですので、性善説では対応できないのが現実です。

幸せに暮らしていくためには情報リテラシーをあげるしかない

うそはうそであると見抜ける人でないとインターネットは難しい〜西村博之(2ちゃんねる創設者)

SNSやスマホアプリもこれに同じです。誰でも簡単に情報発信できたりモノやサービスを提供できるということは、簡単にうそで人をだますこともできるということです。情報リテラシーの低い人が、前者のメリットだけを享受して後者のリスクを避けられるのは、おそらく運が良かった場合だけでしょう。他にもネットのセキュリティという面倒な別のリスクも考慮する必要もありますので、ネットサービスを利用するということは、それなりの能力を有する必要があると断言できます。

CtoCのマーケットは、今後さらに拡大していきます。今は、運良く被害に遭っていない人もこれからも大丈夫である可能性は高くありません。これからのネット社会で幸せに暮らしていくためには、情報リテラシーをしっかりと身につけることが前提になってくると思います。

  • 消費者は、自分たちを保護してくれる景表法を知りましょう
  • 化粧をする人は、薬機法と化学を勉強しましょう
  • 会社員は、自分たちを守ってくれる労働基準法を知りましょう
  • 頻繁に自宅へ売り込みがくる人は、特商法と割賦販売法を知りましょう
  • SNSを安全に楽しみたければ、私信は慎みましょう
  • 詐欺や架空請求に遭遇したくなければ、ネットセキュリティを学びましょう

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