トイレットペーパー盗難事件で犯人を責めるのは御代田町にとってマイナス

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御代田町のイメージ低下は避けられないトイレットペーパー盗難事件
「商品が不足する」などの、いわゆる「デマ」が広がり、トイレットペーパーなどの買いだめの動きがみられる中、長野県御代田町のコンビニエンスストアのトイレでトイレットペーパーの盗難とみられる被害がありました。一方、トイレットペーパーの製造会社は、「在庫は潤沢にある」と話し、冷静な行動を呼びかけています。〜Yahoo!ニュース・長野放送より
このトイレットペーパー盗難ニュースは、御代田町にとってものすごいマイナスです。公共施設やショッピング施設などでトイレットペーパーや備品などの盗難は、それら施設のトイレに注意喚起の張り紙やペーパーの側面に店舗名等が記載されたりしていることから、全国的・日常的に発生しているトラブルで、万引きと同じようなよくある悪質な行為として認知されている事象です。
しかしながら、マスク不足同様、「トイレットペーパー不足」における世間の注目度がピークのタイミングで「御代田町」で盗難事件が発生したとなると、トイレットペーパーを盗んだ犯人が、町民であろうがそれ以外の人間であろうが関係なく、御代田町の民度が問われてしまうのです。

犯人を批難する発信はマイナスを増長させる可能性
この事件、情報が広がれば広がるほど御代田町にとってマイナスになります。そして残念ながら、「御代田町はトイレットペーパーを盗む民度の低いところ」という情報拡散を止めることはできません。このマイナスにどう対処していくか非常に悩ましいところです。
御代田町の民度が疑われる悲しい事件。町外のならずものならどんなにいいかと思いますが…。 https://t.co/YFJ8Sb2aqg
— 小園ひろし(長野県御代田町長) (@miyotamayor) March 4, 2020
御代田町の町長もTwitterで、今回の事件について言及されています。それ以外にも、犯人を批難する発信が散見されます。
しかし、これらはベストな発信ではないです。犯人を否定しても「御代田町」で盗難事件が起きたことは、人々の記憶に強いインパクトを残してしまいます。
取り返しのつかないマイナス情報をどうやって打ち消すか
マイナスの情報にネガティンブなコメントをつけて発信しても「マイナス+マイナス」で、プラスになることはありません。「マイナス+プラス」か「マイナス×マイナス」の情報発信でないと、すでに拡散されてしまった「御代田町でトイレットペーパーが盗まれた」を打ち消していくことは、難しいといえるでしょう。
では、どうすればいいのか?
- これまでの盗難事件の少なさを具体的な数字を出して証明する
- 他のもっと大きな事件を取り上げて関心をそらす
- たまたま報道されたけど、他の町でも起こっているとして印象を薄める
うーん。どれも決定打に欠けますね
「雨降って地固まる」トラブル発生後のリカバリー行動が重要
人間はミスや過ちを犯します。でもミスや過ちを犯してもその後の行動次第では、迷惑をかけた相手からこれまで以上の信頼を得る場合もあります。
その行動とは、どこまでリカバリーを行えるか。つまり与えた損失を帳消しにしたり、それ以上の価値を提供できるか。だと思います。
張り紙を見た客から…
オーナーは、「身勝手な人だなと…。現在、在庫もない状態で困る。トイレが使えない状態が続けば、皆さんにも迷惑をかけてしまう」と嘆いています。その後、張り紙をみた客から6ロール譲り受けたということです。オーナーは「まさか、いただけるとは、ありがたいかぎりです」と話しています。〜Yahoo!ニュース・長野放送より
今回のトイレットペーパー盗難事件の報道は、非常に腹立たしく自分が住んでいる町の民度を疑わざるを得ませんでした。しかし、上記報道にあるようにトイレットペーパーが盗まれたことを知らせる張り紙をみたお客さまからトイレットペーパーを譲り受けたという点が救いでした。
この「名も知れない方」の行動こそ、御代田町の汚名返上の重要な情報であると思います。トイレットペーパーだけに、「自分たちのケツは、自分たちで拭く」であったと。
起こってしまったマイナス。要因を作ってしまった人間を責めてもプラスには転じません。その後のマイナスを打ち消すプラスの行動こそ重要なのではないでしょうか。
コンビニにトイレットペーパーを差し入れされた「名も知れない方」が、御代田町の住民であれば、本当に誇らしいと思います。